2008.10.29

レストランに求めるサービスとは

2週間ほど前、会社の近くのフランス料理屋を夫と訪れた。感じがよかったら、接待に使おうと思ったのだ。

その日は2人でコースを注文。デザート以外の料理がすべて出た後で、飲み物は何にするか、と店の人に聞かれた。その時「飲み物はコースと別料金です」と言う。「あれ、食後のお茶もコースについていなかったっけ」といぶかしく思いながらも、私たちはエスプレッソとハーブティーを注文した。

さて、翌日のこと。私の携帯電話に、この店から連絡があったのだ。実は飲み物は、やはりコース料金に含まれていたという。差額を現金書留などでお返ししたい、とのこと。

最初に書いたように、この店は会社から徒歩5分のところにある。お金をわざわざ送ってもらうより、私が取りに行った方が早いと思ったので、「近いうちにうかがいますから、いいですよ」と言って電話を切った。

ところで私はこの電話を切ったあとで、(ちょっとガメツイかもしれないが)返金のほかに、菓子折くらいいただけるかな、と期待していた。今回の件は、明らかに店側のミスである。その上、お客の方から店に足を運ぶのだから、何かしら「プラスアルファ」があるだろう、と考えたのだ。

2週間後、事前に電話を入れてから店を訪ねてみた。ところが…。店の人に渡されたのは、「何も書いていない、ぺらっとした真っ白い封筒だけ」だったのだ。封筒は少し膨らんでいて、中に小銭が入っているのが分かる。お土産もなし。

仕事で行くこともあるかと思って、いちおう名刺は渡してきたが、「??」な感じは否めなかった。

お土産がないのは、まあ許そう。しかし、何も書いていない白封筒とはどういうことか。普通、店のロゴの入った厚手の封筒くらい用意しているものではないか。

会社に戻って封筒を開けてみると、紙幣と小銭が「裸のまま」でジャラジャラ入っていた。あとは、当日の明細書。手紙も何もない。せめて一筆箋でもいいので「先日は、大変失礼いたしました」という一文くらい、添えられないものなのか。

ちなみにこの店の料理は、決してまずくはなかった。食事をした当日のサービスも、特にひどいというわけではない。

しかしトータルで考えると、「何かが足りない」。少なくとも、返金に関する今回のケースでは、「私だったら、お客にこうするだろう」と思ったことが何一つ行われていない。
ちなみに私なら、下記の手順を踏むだろうと思う。

・小銭は小さな紙に包んでおく。
・お詫びの手紙を添える
・上記を店のロゴ入りの封筒に入れる(ロゴ入り封筒がなければ、市販のきれいな封筒を用意する)
・さらに可能なら菓子折、優待券などを用意する。

それとも、私は店にサービスを期待しすぎているのだろうか。うーむ。、

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2008.03.25

3月の研究会に出席

 ずいぶん長い間、書き込みをしていなかった。1月から仕事がかなり立て込んでいたが、ようやく先が見えてきたので、こちらも再開しようと思う。

 さて、23日の日曜日は今年初めての淡交会の研究会に参加した。

 今回のテーマの一つは茶通箱(さつうばこ)。桐箱の中に茶入と棗を入れ、2種類の濃茶をお客に出すための点前だ。棗は大津袋という紫色の袋で包み、扱いは茶入と同等になる。

 亭主が用意した茶のほかに、客が茶を持参してきた場合などにこの点前をするという。「こういう時のために、水屋にはいつも箱を用意しておくことが大事です」とは、今回の先生の言。

 点前自体は通常の濃茶点前とあまり変わらないが、茶通箱では、亭主と客の問答のタイミングがポイントになる。

 例えば、客が2番目の茶を所望する時。また、茶入と棗があるので道具の拝見も2度に分けるのだが、最初の拝見を乞うタイミングも難しい。どちらかというと、客の方が気の抜けない点前なのだ。

 今回の先生は所作や道具について理論的に説明をしてくれるので、非常に勉強になった。

 

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2007.09.07

桜蔭、雙葉、女子学院と空き缶

 今期のテレビドラマ「受験の神様」で、主人公の女の子が私立女子中学を受験するくだりがあるが、この学校の名前が「應林(おうりん)」という。たぶん「桜蔭」に掛けているのだろう。ところで、以前は桜蔭、雙葉、女子学院が「女子校の御三家」と呼ばれていた時代があったが、最近はどうなのだろうか。
 
 過日、女子校時代の友人に会った。彼女と一緒に歩いていると、歩道に並んだ自転車のうちの1台が倒れている。すかさずその自転車を起こすと、見ていた友人は笑った。「葉ちゃん、やっぱりそこで起こしちゃうんだよね」。
 
 彼女は続けて言った、「御三家と空き缶のエピソードって、知ってる?」。

 道を歩いていて、足元に空き缶が転がっていた時、
 
「空き缶を無視して行き過ぎるのが、桜蔭の生徒」
「空き缶を拾ってゴミ箱に捨てるのが雙葉の生徒」
そして、
「空き缶を、思いっきり蹴っ飛ばすのが女子学院の生徒」

 という話があるそうだ。うーん。こうやって聞くと、雙葉の生徒が一番真面目そうで、でも面白味に欠けるということかもしれない…。

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2007.08.28

アサッテの人、手塚治虫、音の記憶

 「つまらなかった」「途中で読むのをやめた」と何人かに言われつつ、読み始めた芥川賞受賞作『アサッテの人』。これが、私にとっては実に面白かったのだ。

 ネタバレにならない程度に内容を書くと、「ポンパ」「ホエミャウ」など、意味不明の言葉を突然発する「叔父さん」と、周囲の人々との交流の物語。このような「アサッテ」の言葉を口にするため変人のようにも見える「叔父さん」だが、読み進めるうちに、悲しいようなホノボノとしたような不思議な気持ちになる。

 多分私がこの小説に興味を持ったのは、「音と意味」について、しばしば考えていたからだと思う。

 母の話をしよう。私の母は時々、何か話しかけると即座に「えっ、今なんて言ったの?」と聞き返す。最初のうちは、聞いていなかったのかと思って、同じセリフをもう一度繰り返していた。しかし、こういうことが何度もあると、こちらも面倒になる。

 あるとき、同じことを二度言うのが億劫で「もう、いいよ」と言って黙っていた。すると母はしばらくして、「ああ、それはね…」と答えたのである。それ以来、私は気づいた。母は、最初の私のセリフを「聞いていた」のだ。しかし、「理解していなかった」。こちらがしばらく待つことで、彼女は理解したのだ。

 母のこの言動は、私自身にも同じ性癖があると分かって初めて納得がいった。私も、誰かに話しかけられたとき、すぐに内容が理解できないことがしばしばある。それは相手の話を、母も私も「音で聞いている」からだ。その瞬間は、何を言われたのか分からない。しかし、しばらくして頭の中で「さっき聞いた音」を反芻し、日本語に変換する。そして、やっと内容を理解するのだ。

 普通の人は、この変換作業を無意識に、そして瞬時に行うものだ(そして、それが最も簡単に行えるのが「母国語」というわけだ)。相手の話を、まず「音」として聞いてしまうのは、母も私も多少「アサッテ系」なのかもしれない。

 こういう性癖があるせいか、小説の「叔父さん」や「私」と同様、私にも「音だけで覚えた意味不明な単語」がある。ずいぶん前に読んだ、手塚治虫の漫画に出てきたものだ。

 手塚治虫の漫画には、ストーリーとは全く無関係に、妙なキャラクターが突然登場することがある。うろ覚えだが、例えば「ひょうたんつぎ」などだ。どれも、手塚氏が幼少の頃に考えたキャラクターだという。

 『ブラックジャック』かなにかの中で、そういったキャラクターの一人があるセリフを言うのだが、それが「モーキノフボク」という。長い間、この「モーキノフボク」という意味不明の言葉が頭にこびりついて離れなかった。そう、意味が分からないものほど、なぜか「音の羅列」として鮮明に覚えているものなのである。

 そして10数年後ネットでたまたま、この言葉の「漢字」に出くわすのである。

 「盲亀の浮木」

 出典は、仏典だそうだ。海に棲む盲目の亀が100年に一度海面に顔を出し、たまたま浮いていた木の穴に入るという意味で、要は「めったに出合えない幸運、希少な確率」を指すという。「仏の教えにたどり着くのはとても大変なことなので、それだけ精進しなさい」ということだろう。

 この言葉をネットで見つけたとき、「手塚治虫の漫画にあったのは、これだったのだ!」と興奮した。

 …というわけで、自分の中の「アサッテ」をちょっと意識できた小説。
 
 ちなみに選考委員の中で、石原慎太郎と村上龍がこの作品を酷評していたのが、これまた興味深い。まあ、彼らには、この諧謔は理解できないだろうな。

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2007.07.12

軟弱男子

 デパートの上りエスカレーターで。私が乗りかけた時、カップルの男女がやってきた。この時ちょっとしたタイミングで、先に女性が乗り、その後に私が乗る形になってしまった。

 カップルを分断して悪かったな、と思った途端、私の後ろにいた男が「んぎゃー」と妙な声を発した。それだけではない、なんと彼は私を抜かして、私の前の女の隣に並んだのだ。

 呆れた。私が二人の間に入ってしまったのは申し訳なかったが、抗議めいた声を出すことはないのではないか。たかだかデパートのエスカレーター、二人でくっついていられないと言っても、1フロア移動する15秒くらいの間我慢すれば済むことだろう。

 しかも、デパートとはいえエスカレーターで左右に並んで立つのは、本来はマナー違反のはず。まったく、最近の若い男子は、どうなってるのかしらん。

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